パーフェクトトップ(日本ペイント)とはどんな塗料?

パーフェクトトップは、塗料メーカー最大手の日本ペイントが製造・販売している塗料です。

この塗料の大きな特徴は、

  • 塗膜を劣化させるラジカル分子を抑制し、耐久性を高める
  • 価格帯はシリコングレードと同程度なのに、耐久性はそれ以上に優れている

このような特長から、2012年9月に販売開始されたパーフェクトトップは、外壁塗料の中でも代表的な人気商品として位置付けられています。

また、10年以上の実績があることから、信頼性の高い塗料とも言えるでしょう。

外壁塗装を数多く手がけている弊社においても、パーフェクトトップは最も使用頻度の高い塗料の一つです。

パーフェクトトップの特徴

1.紫外線による劣化を防ぐ「ラジカル制御型塗料」
2.ラジカルを制御する2つの機能

それぞれについて、詳しく解説していきます。

1.紫外線による劣化を防ぐラジカル制御型塗料

紫外線はお肌の大敵として知られ、対策をされている方も多いと思いますが、実は塗料も紫外線によって劣化していくことをご存じでしたか?

塗料の中には、発色(色を出す)を担う顔料「酸化チタン」が含まれています。
この酸化チタンが紫外線を吸収すると、劣化因子である「ラジカル」が発生します。

このラジカルはさまざまな物質を分解してしまう性質を持ち、塗膜も分解の対象となります。
その結果、チョーキングなどの劣化症状が発生してしまうのです。

2.ラジカルを制御する2つの機能

パーフェクトトップには、ラジカルの発生や影響を抑えるための2つの機能が備わっています。

1.紫外線が酸化チタンに届かないようにする
2.光安定剤がラジカルを吸収する

それぞれ詳しく解説していきます。

1.紫外線が酸化チタンに届かないようにする

考え方はUVカット化粧水と同じで、紫外線が肌に届かないようにバリアするのと同様に、酸化チタンにバリアを施して紫外線の影響を遮断します。

これにより、劣化因子であるラジカルの発生を抑えることができます。

日本ペイントでは、ラジカルの発生を抑制するにあたり、**発色に影響を与えないように酸化チタンを膜でコーティングする「ラジカルバリア技術」**を採用しています。

2.光安定剤がラジカルを吸収する

パーフェクトトップには、**ラジカルを捕捉する「光安定剤」**が配合されています。

この光安定剤がラジカルを吸収・無害化することで、塗膜を分解する化学変化を抑制することができます。

パーフェクトトップの耐用年数と施工単価

以下の表は、耐用年数と施工単価を比較した表になります。
パーフェクトトップのコスパの高さが分かります。

塗料耐用年数価格(円/㎡)
パーフェクトトップ12~16年2,300~
シリコン塗料8~13年2,200~
フッソ塗料15~20年3,800~

㎡あたりの施工単価はシリコン塗料と変わらないにも関わらず長耐用年数はフッ素塗料近い。

パーフェクトトップが人気の大きな理由がこのコストパフォーマンスの高さにあります。

パーフェクトトップとその他の塗料の違い

一般的に外壁塗料は、シリコンやフッ素など樹脂によって耐用年数や対候性など性能が変わってきます。
その点、パーフェクトトップは、安価なアクリル塗料に含まれるラジカルという劣化因子を抑制することで耐用年数を含め性能を向上させている塗料。
このことは、コストパフォーマンスに大きく影響しておりシリコン塗料やフッ素塗料との違いでもあります。

パーフェクトトップは我が家の外壁材に使える?

パーフェクトトップは、以下の外壁材に使うことができます。
モルタル面、窯業系サイディングボード、コンクリート、ALCパネル、鉄部、FRP、木部、金属サイディングボード、亜鉛めっき、アルミ等の塗り替え。

ほとんどの戸建てのお家で使うことができます。
ただ、外壁材によって下塗り塗料は、変える必要が出てきますので、そのことは塗装会社に相談してみるといいでしょう。

パーフェクトトップのメリット

パーフェクトトップのメリットは7つあります。

1.コスパが良い(耐用年数に対して価格(施工単価)が安い)

パーフェクトトップのベースは一番安価なアクリル塗料。
このアクリル塗料を改良しラジカル抑制することによって、パーフェクトトップの耐用年数はシリコングレードよりも上回っています。
価格帯はシリコン塗料と同程度。
それなのに耐用年数はシリコン塗料よりも長い。
コストパフォーマンスの高さは、パーフェクトトップの代表的な特徴と言えます。

2.塗膜劣化の原因のラジカルを抑制

上記「特徴」で詳しくまとめていますのでここでは軽くまとめています。
劣化因子であるラジカルは、塗膜を分解していき、結果的にチョーキングといった劣化現象を引き起こします。
パーフェクトトップは、劣化の原因を作っているラジカルを制御。
これによって耐久性が高い塗料が実現。

3.塗装職人が塗りやすい

塗料には扱いやすい製品と扱いにくい製品があります。
扱いにくい(塗りにくい)塗料は
・高度な技術力が必要
・品質を高めるためには時間がかかり、その分の塗装費が高くなる
といったデメリットがあります。

パーフェクトトップは、扱いやすい塗料であるため、塗装品質を効率よく短時間で高められます。

これは、塗装工事の工期が短縮にもつながり、コストを抑えるという経済効果も期待できます。

4.汚れにくい上に雨水で汚れが落ちやすい

パーフェクトトップには、親水性という性能があり、この性能には汚れが付着しても雨水で洗い流すというセルフクリーニング効果があります。

また、塗装表面の密度が高いことから汚染物質の定着を防いでくれます。

汚れはおうち全体の見栄えに影響していきます。

・汚れが定着しにくい
・雨水と一緒に汚れが流れ落ちる
ことにより長くきれいな状態をキープしてくれるでしょう。

5.対候性アップにより色褪せを防いでくれる

パーフェクトトップのJISのA 6909耐候形1種促進耐候性試験では、光沢保持率が2500時間もの間80%以上保っておりシリコン塗料よりも高いことが証明されています。

パーフェクトトップの特徴の一つであるラジカルを制御する性能は、塗膜の劣化防止だけでなく色褪せを防ぐ効果にもつがっているようです。

色褪せもお家の美観に大きく影響していきます。
きれいな状態を長く保たせるためにも、なるべく色褪せしにくい塗料を選びたいですよね。

6.カラーバリエーションが豊富でツヤが良い

パーフェクトトップは日本ペイントの標準色46種類から色を選ぶことができます。

同じベージュ色であっても色味が少し異なるだけでお家の印象は変わってきます。

色にこだわりがある
好みの色でツートンカラーにしたい
といった方には、色の種類が豊富にあるパーフェクトトップはおすすめです。

7.好みのツヤ感に仕上げることができる

パーフェクトトップには、「ツヤあり」「7分ツヤ」「5分ツヤ」「3分ツヤ」「ツヤなし」の5種類があるため、ご自身の好みのツヤ感で仕上げことができます。

また、パーフェクトトップはツヤがとても良い。とよく聞きます。

ツヤは高級感を醸し出してくれます。
高級感のある外壁に仕上げたいという方にはおすすめです。

ただ、土壁風などの場合は、マットな感じのほうが印象は良くなります。
ツヤ感を出すと安っぽく見えてしまうので、使い分けるといいでしょう。

パーフェクトトップのデメリット

1.土壁風(ジョリパット)の外壁にはあまり適さない

パーフェクトトップはツヤを選ぶことができツヤ感を消すことによってマットに仕上げることができます。

ただ、土壁風の繊細な仕上げりを再現することができません。

理由は塗りつぶしてしまうからです。

もし土壁風(ジョリパッド)の風合いを大切にしたい場合は、ジョリパットフレッシュなど選ぶ必要があります。

推奨する下塗り塗料でないと効果が得られないことがある

下塗り塗料の選定は非常に重要で、上塗り塗料と相性がいい塗料でないと本来ある性能が現れないことがあります。

そのため、価格が安いということで、推奨されていない下塗り塗料を選ぶのはおすすめしません。

以下が推奨されている下塗り塗料になります。
パーフェクトフィラー
パーフェクトサーフ
パーフェクトプライマー
ファインパーフェクトシーラー

まとめ:日本ペイントのパーフェクトトップは評判が良く大人気の塗料

パーフェクトトップは、多くのお家で使われており、2012年9月から販売されているため10年以上の実績がある塗料です。

樹脂(グレード)によって耐久性が異なりました。
パーフェクトットップはラジカルを制御することによって耐久性を高めています。

また、安価なアクリル塗料を改良し耐用年数を長くしている点もこれまでの塗料とは異なります。

なるべく安い価格で長持ちする塗料(コスパの高い塗料)を探している方には特におすすめできる塗料と言えます。